物流2024年問題 – メルマガ2024.05.09
平素より依田会計グループの担当者が大変お世話になり、お礼申し上げます。
今年のゴールデンウィークは、お天気に恵まれました。
私は実家の家庭菜園で、両親ときゅうりやナス、トマトの苗を植えたのですが、土いじりはいいですね!
夏ごろにはたくさん収穫して、採れたての野菜を食べるのが楽しみです。
これでしばらく祝日はないですが、お互い、またお仕事頑張りましょー!
さて、本日は、物流2024年問題について考えてみます。
よく分かっていないという方は、ぜひご一読ください。
物流2024年問題とは
働き方改革関連法の改正に伴い、2024年4月1日よりトラックドライバーの残業規制が適用され、年間の残業時間が最大960時間に制限されました。
ドライバーの労働環境改善が期待される一方で、残業代削減によるドライバーの収入減や人材不足の深刻化などにより、運送会社では従来の輸送力を維持できなくなると危惧されています。
同時に、荷主事業者にとっても、「運んでほしい荷物を今まで通り運んでもらえない」「取引先への確実な配送ができない」という大きな社会問題が生じようとしています。
この問題に対応するため、政府はガイドラインを発行し、荷主事業者と物流事業者の連携を強く推奨しています。
「2024年問題」では、運賃の値上げや運送業界内での輸送手段に関する取り組みが盛んに注目されていますが、ドライバーの稼働時間に制限がある中で“輸送力の低下”を防ぐためには、荷主事業者の協力が不可欠となります。
もともと働き方改革で、労働者が過度な労働時間を避け、健康を守り、ワーク・ライフ・バランスを改善するために導入されました。
時間外労働の上限規制は、中小企業でも2020年4月から始まっていましたが、自動車運転、建設業、医師については2024年4月からの適用と延期されていました。
トラック運転者の年間労働時間の推移
トラック運転手の方の労働時間は全産業平均の2割くらい多い感じですよね。
しかし、いよいよ始まってしまったということで、荷主企業や運送業の皆さんは対応を余儀なくされているわけです。
残業をしなければよいという話ではない
確かに昔は残業が多いのが当たり前でした。私も若い頃は過労死ラインを超える残業は当然のようにしてました。忙しい時期もあるし、明日の準備が終わらなくて残業することもあるでしょう。
つまり、労働生産性を上げなければならないのです。
上図のとおり、日本の労働生産性は、G7の中でも最低です。(R3年情報通信白書)
OECD38か国中で30位。(「労働生産性の国際比較2023」日本生産性本部)
長く働くことで成果を上げるのではなく、いかに短い時間で一定の成果を上げるか。
働き方改革や残業時間の上限規制は単にきっかけにすぎません。
本質的に、労働生産性をどうしたら上げられるか、労働生産性が上がることによって残業が減り、ワークライフバランスが適正になることで、従業員の皆さんが安心して働けるように取り組んでいきましょう。
2024年問題解説セミナーのお知らせ
依田会計のパートナー企業である株式会社アイルでは、2024年5月22日(水)に、無料オンラインセミナー「“このままでは運んでもらえない!?荷主に降りかかるリスクとは” 卸売業・製造業における2024年問題を解説」を開催します。
特にDXによる解決方法のヒントになるのではないでしょうか。
働き方改革関連法の改正に伴い、2024年4月1日よりトラックドライバーの残業規制が適用され、年間の残業時間が最大960時間に制限されました。
ドライバーの労働環境改善が期待される一方で、残業代削減によるドライバーの収入減や人材不足の深刻化などにより、運送会社では従来の輸送力を維持できなくなると危惧されています。同時に、荷主事業者にとっても、「運んでほしい荷物を今まで通り運んでもらえない」「取引先への確実な配送ができない」という大きな社会問題が生じようとしています。この問題に対応するため、政府はガイドラインを発行し、荷主事業者と物流事業者の連携を強く推奨しています。「2024年問題」では、運賃の値上げや運送業界内での輸送手段に関する取り組みが盛んに注目されていますが、ドライバーの稼働時間に制限がある中で“輸送力の低下”を防ぐためには、荷主事業者の協力が不可欠となります。
本セミナーでは、卸売業や製造業の荷主事業者さまに向けて、「2024年問題」によって生じるリスクを回避するためにどのような対策が必要となるのか解説します。
<こんな方におすすめ>
・商品の配送を、外部の運送業者にお願いしている卸売業・製造業の企業さま
・「2024年問題」と自社との関連性がよくわからない
・FAXやメールなどアナログな業務により、受注から出荷準備までに時間がかかっている
開催概要
開催日時 : 2024年5月22日(水)
午前の部 10:30~11:30 / 午後の部 13:30~14:30
※午前と午後は同じ内容です。ご都合の良い時間帯をお選びください。
形式 : オンライン(Zoom)
参加費 : 無料(事前申込制)
講師 :株式会社アイル ビジネスパートナー推進本部 部長 西谷 寿
おわりに
より具体的に相談したいという方は、担当者までご相談ください。
ITによる生産性向上についてはIT経営支援室が、残業時間の上限規制やそもそも就業規則を見直したいといった人事労務については社会保険労務士法人フシ・コンサルティングが丁寧に対応させていただきます。
本日のご案内は以上です。
このメルマガが皆様の企業経営のお役に立てれば幸いです。
(文責:中小企業診断士 古屋健)