電帳法対応(1) 会計ソフトで保管する場合
目次
このページでは、電子帳簿保存法に対応する方法の1つ目の方法として、会計ソフトの機能を利用して保管する場合の注意点についてまとめています。
2021年の年末に突然2年間延期された電子帳簿保存法による電子取引の電子保存義務化。
そもそもいろいろなところで「電子保存の義務化!」とあおるので、誤解している人が多いのですが、今回義務化(正確には宥恕規程の解除。つまり、様子見は終わりだよということ。)されるのは、電子で受け取る納品書請求書や領収書が対象です。紙で受け取る書類は、従来通り紙での保存で構いません。紙の書類を電子化して保存することは任意なのですが、電子取引は義務化されるというところを区別できていない方が多いのですが、それはITベンダーの営業さんなどがひとまとめにしてあおるのも一因でしょう。
電子帳簿保存法の義務化対象取引
赤枠で囲まれた部分が、2024年1月から義務化される対象取引です。
電子保存の選択肢-会計ソフトで保管する場合の注意点
電子取引の保存には主に次の3パターンが考えられます。自社の状況に応じて最適な方法を検討しましょう。
1.会計ソフトの電子保管機能を使う。
多くの会計ソフトには電子証憑を仕訳に紐づけて管理できるような機能がすでに備わっています。その機能を活用すれば、その仕訳がどのような取引に基づいて処理されたかがすぐにわかるので、税務調査や会計事務所の確認時にもとても分かりやすくなります。また、ファイルサーバーなどで別保管する場合に比べ、ファイル名などを気にする必要もないので、面倒が少ないと思います。
一方で、いくつか注意点もありますので、確認しておきましょう。
- 事務処理規定が必要な場合があります。
タイムスタンプを利用していないなどの場合、正当な理由がない訂正および削除の防止に関する事務処理の規程を用意する必要があります。 - 会計データだけでなく、保管される電子証憑のバックアップなどの補完体制を確認しましょう。最近のクラウド会計ソフトであれば、ベンダー側で何重にもバックアップされていることが多いのですが、インストール型の会計ソフトでは、一部PC内のファイルと関連付けさせているだけのものもあり、その場合、PCが壊れたら証憑書類も失うことになりますので、別途バックアップを自社で実施しておく必要があります。(たとえば、JDLIBEX出納帳はローカルファイルの関連付けのみ)
- 会計ソフトを変えたくなったら、結構大変。
会計ソフトはそんなに頻繁に変えることはないと思いますが、会計データに紐づけて保管してしまうと、少なくとも7年間は保管しなければならないので、他の会計ソフトに変えたときは、過去年度の会計データに紐づけて保管した証憑書類を新会計ソフトに引っ越すか、旧会計ソフトを7年後まで閲覧可能な状態で保管するか、ということになります。すべての会計ソフトで、保管した証憑書類の一括ダウンロードをできるわけではないので、注意が必要です。
OBC 勘定奉行クラウドの場合
仕訳に関連して保管できるだけでなく、取り込んだ帳票から仕訳を起こすことができ、業務効率化を図ることができます。
勘定奉行クラウドを利用した場合の電子帳簿保存法対応機能について、弊社古屋が動画で解説していますので、こちらもどうぞ。
ジョブカン会計の場合
ジョブカン会計にはジョブカン証憑保管サービスがあります。安価なソフトでここまでできるのは正直驚きです。
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